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~基本情報~

●名称:有機農園「えこふぁーむ」

●設立:1992年

●住所:〒046-0002 北海道余市郡余市町登町1178

●メンバー:1人(随時ボランティア・研修生を受け入れ)

●事業:果樹、野菜、穀物の生産、加工、直売、果物狩り

●特徴:有機農法での栽培、農民オーケストラ、農民芸術学校構想

●代表:牧野時夫さん

●連絡先:Tell、Fax : 0135-22-7431  Mail : m-ecofar@phoenix-c.or.jp

 

~概要~

 えこふぁーむは1992年、北海道余市郡余市町で牧野時夫さんが、離農する果樹農家の土地で設立しました。

特徴は、有機農法で栽培している事、「農民オーケストラ(北海道農民管弦楽団)」という、農業関係者で構成する、オーケストラを主宰している事、「農民芸術学校(余市フォルケ・ホイスコーレ)」という、農業と音楽の学校(私塾)の設立を構想している事です。また、牧野さんは農業共同体についても豊富な知識をお持ちです。

 現在、ここは農業共同体ではありませんが、牧野さんがウェブサイトに載せた、農業共同体に関する文章が、

私が農業共同体の事を調べる上で参考になり、一度、お会いしてお話しを伺いたいと思い、今回、訪問しました。

 北海道余市郡余市町。NHKのドラマ「マッサン」の舞台にもなった、北の大地の果樹園が連なる丘陵地帯で、果樹、野菜を、自然を活かした農法で育て、その自然の中の生活の発露として、仲間と共に音楽を奏でています。

場所~

 北海道札幌市から北西の方向へ、日本海沿いの国道5号線を、右手に日本海・石狩湾を、左手に札幌西部の山並を臨みつつ、車で走ると、約1時間で小樽市に出ます。高速道路を使う場合は、札幌市内のICから、札樽自動車道を小樽方面へ走れば、1時間弱で小樽市に出ます。2018年末には余市ICまで高速道路が延伸予定です。

 小樽市街から更に北西の方向へ、先程の続きの国道5号線、小樽北部の山の中や海岸沿いの道を30分程走ると、余市郡余市町に入ります。余市市街の南方には、沢山の果樹園が軒を連ねる丘陵地帯があり、えこふぁーむさんも、その丘陵地帯の丘の斜面に沿う様に位置します。

 余市町、登町地区は、果樹園はもちろん、牧野さんの様な新規就農の方が多く、活気がある地域です。但し、

場所が分かり辛い為、初めて行く方はナビをご利用下さい。

 

~施設~

 農場は南北に尾根が走る丘の斜面にあり、西の斜面に住居、倉庫兼作業場、葡萄棚と葡萄ハウス、林檎畑、野菜ハウス、その他、苺や南瓜やじゃが芋やさくらんぼ、プルーン、プラム、杏子、桃、梅…など色々な果樹が植えられていて、主に春や秋、季節の味を楽しむ事が出来ます。

 東の斜面にはハウスなしの葡萄の棚が、丘の頂上に色々な野菜とライ麦畑、そして、ドームハウスがあります。ドームハウスは現在、倉庫兼作業場として使われていますが、音響や断熱を考えた作りをしていて(写真参照)、将来、ここを農民オーケストラのイベントや農民芸術学校の舞台にしたいと牧野さんは構想しているようです。 

 農場の面積は約4ha。今年はその内の1haほどは作付けせず休ませている状態です。主力は葡萄、林檎、などの果樹ですが、果樹も野菜も数十種類は栽培しており、それを直売・直送したり、果物狩りも行っています。

 

~人物 宮沢賢治と農民オーケストラと農民芸術学校~

 牧野さんは大阪生まれ山梨育ち、北海道外の出身者です。北海道大学農学部に進学、果樹農業を専攻する傍ら、有機農業や農業共同体の事も勉強して、農業を志します。大学卒業後はワイン会社に就職、山梨や岡山で勤務し、学生時代に知り合った現在の奥様と結婚。30歳で就農しました。以来25年近く、有機農業を営んでいます。

 また、牧野さんは大学時代、北大交響楽団でオーケストラに参加するなど音楽好きですが、1994年、北海道の農業関係者で構成するオーケストラ「北海道農民管弦楽団」を設立。毎年冬に北海道内各地で公演する他、2011年にはデンマークで2公演、2013年には宮沢賢治の故郷・岩手県花巻市と陸前高田市でも公演しました。

 牧野さんは作家、宮沢賢治に影響を受けたと言います。牧野さんが農業関連の公務員や大学の研究者、農協の職員にならず、自ら農業を行うのは、農業高校の教員だった宮沢賢治が、生徒に対して農民になれと教えながら、自分は教員として給料を貰う事を悩み、農民となった事が影響し「理想と行動は一致するべき」と考えた為です。

 また、宮沢賢治は「羅須地人協会」を設立して、農学校卒業生や近隣の篤農家を集め、農業や肥料の事を教える傍ら、音楽楽団の練習を行い、オーケストラを主宰します。これが牧野さんの農民オーケストラに繋がります。 

 そして、牧野さんの「農民芸術学校」構想も、宮沢賢治の『農民芸術概論綱要』に影響を受けたといいます。『農民芸術概論要項』は、羅須地人協会設立と同じ時期に宮沢賢治が発表した文章で、金を貰う芸術家による、

金を出す金持ちの為の芸術ではなく、一般の人々=農民による、農民が楽しく幸せに暮らす為の、日々の労働や

生活の発露としての芸術を実践しようという主張です。その実践が、宮沢賢治が主宰した農民オーケストラです。

牧野さんは有機農業、農民芸術を若い世代に伝える為、農場で「農民芸術学校」を設立する事を構想しています。教室とホールと寮を併せた施設を作り、講師と生徒が共同で生活を送りながら、農業や音楽、自然や社会について座学と実地で学ぶ、その様な生活と学びの場です。現在はNPO法人の設立を考え、準備しているとの事です。

 えこふぁーむのウェブサイトやフェイスブックにも、沢山の情報が掲載されています。メールでのやりとりも可能です。ウェブサイトは技術的な問題で更新が滞っている為、最新情報はフェイスブックでご確認下さい。

 

・ウェブサイト:http://www.phoenix-c.or.jp/~m-ecofar/

・Facebook   :https://www.facebook.com/ecomackyfarm/about/

 

06:えこふぁーむ・農民芸術学校

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