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01:寧楽共働学舎

~基本情報~

●名称:特定非営利活動法人 共働学舎 寧楽共働学舎

●設立:1977年(任意団体としての共働学舎は1974年、NPO法人としての共働学舎は2006年)

●住所:〒077-0465 北海道留萌郡小平町寧楽503-1

●メンバー:25人前後

●事業:養豚、養鶏(鶏卵、鶏肉)、稲作、畑作、ソーセージ作り

●特徴:心身に不自由を抱える人との共同生活、社会福祉法人ではなく公的補助は受けない

●代表:毛利健三さん

●連絡先:Tell : 0164-58-1037  Fax: 0164-58-1137  Mail : neiraku@kyodogakusya.or.jp

 

~概要~

 共働学舎は1974年、長野県で宮嶋眞一郎という人物が、心身に不自由を抱える人が「自労自活=自立した労働と生活」を送る為、数人の仲間と共に設立した、メンバーが共同で農業と生活を営む農業共同体です。

 共働学舎の特徴は、一般的な社会福祉法人の様に、メンバーが職員=健常者と利用者=障害者に分かれておらず、全員、対等なNPOのメンバーである事や、国や自治体から、福祉関連の補助金を受け取っていない事です。

 2016年現在、全国5か所の農場と1か所の事業所で、心身に不自由を抱える人も、そうでない人も合わせて150人近くが生活を送っています。寧楽農場は1977年、共働学舎の3番目の農場として設立されました。

 北海道留萌郡小平町寧楽。北海道の山間の集落の中、心身に不自由を抱える人も含め25人近くのメンバーが米や野菜、豚や鶏を育てながら、共に働き、共に学び、共に暮らし、共に生きる、共同生活を営んでいます。

 

~場所~

 北海道札幌市から北に向かって、日本海沿いの国道231号線を車で走る事、2時間半。左手に日本海の荒波を、右手に石狩北部の山並を臨みながら、切り立つ海岸沿いの道、森の中、トンネル、点在する集落を走り抜けると、道北日本海側最大の都市、留萌市に出ます。

 札幌から高速道路で行く場合は、道央自動車道を旭川方面に走り、深川留萌自動車道、沼田幌糠道路に入り、

留萌大和田ICで降り、留萌市街へ出ます。

 留萌から更に北に向かって国道232号線を15分ほど走ると、小平町に入ります。そして、海岸沿いの小平市街から西の山の中に向かって道道126号線を15分ほど走ると、寧楽地区に入り、道道の左手、山の斜面に沿って、寧楽共働学舎さんが見えてきます。

 

~施設~

 農場に入って坂道を登ると、左手に菜園、住居が、右手に鶏舎、豚舎、倉庫、母屋、宿舎があり、農場から離れた場所にも畑、田んぼがあります。菜園、田んぼの規模は数反程、野菜や米は自給用です。豚は約180頭飼っていて、豚肉をソーセージに加工しており、鶏は約350羽飼い、鶏卵を地元で販売しています。倉庫は動物の飼料の小麦の倉庫、薪を入れる倉庫等があります。

 母屋には、メンバーの住む部屋の他、メンバー全員が食事やミーティングに使う食堂、キッチン、石窯、木質ボイラー等が、宿舎にはメンバーの住む部屋があります。住居は家族向けの住居です。また、農場から800m程離れた場所にも住居とソーセージ工場があります。地域の元教員住宅も買い取っていて、単身者の寮や、家族用の住居にしたいと代表の方は語っていました。

 

 

~人々~

 共働学舎寧楽農場には、上は90代から下は0才まで、男女20人以上のメンバーが所属しています。中には、知的なハンデや心身の病気等を持っている方もいますが、全員対等なNPOのメンバーという立場です。そして、日々の農場の仕事や宿舎での生活は、毎日、食堂で行うミーティングで、全員で話し合いをして営んでいます。

 代表の毛利健三さんは、大学時代は農学部に所属し、ボランティア活動で障害者福祉に興味を持ち、「将来は様々なハンデを持つ人達と一緒に暮らし、能率効率に囚われない自給自足的な農業をしたい」と思ったそうです。大学卒業後、北海道の新聞社の記者となり、留萌支局に勤める中で共働学舎の存在を知り、30年程前、寧楽農場に奥様と娘さん達と加わりました。現在では代表として、現代の日本の資本主義・競争社会に馴染めない、ついていけない、そんな人達が、尊厳や主体性を持ちながら生きる為の場所として、寧楽農場を守り続けています。

 

~生活~

 早朝5時過ぎ、寧楽農場の人々は起きだし、ある人は豚舎の掃除に赴き、またある人は朝食の準備に赴きます。動物の世話や朝食の準備が済むと、7時半頃、食堂にメンバー全員が集まり、朝食を食べ、一時間程休憩です。

08時50分に食堂にメンバー全員が再度集合し、朝のミーティングで全員の予定を決め、各々の仕事に赴きます。

 3時間弱で午前の仕事が終わると、12時、食堂に全員が集まり、昼食を食べ、お昼のミーティングを行って、

午後の予定を話し合います。その後、一時間程休憩です。午後の仕事は、まずは13時半~15時半まで働いて、

30分程休憩し、動物の世話をする人は16時から夕方の餌やりを、夕食の準備もする人もいます。17時半頃には

動物の世話も終わるので、18時に食堂にメンバー全員が集合して、夕食を食べて、夕食の後は自由時間です。

朝は早いですが、夜も早く休め、休憩も多めです。各メンバーのペースに合わせ、ゆったりと生活をしています。

 

~共働学舎について~

 概要でも触れましたが、寧楽共働学舎が所属するNPO法人 共働学舎について、もう少し詳しく説明します。共働学舎の設立者、宮嶋眞一郎という人物は、自由学園という、学生寮での共同生活や農業など独自の教育方法、生徒や学生が自分達で学校施設を維持管理する事などが特徴の学校の一期生であり、英語教師も勤めましたが、

現在の日本の教育制度が、本当に教育を必要とする、心身に不自由を持つ子供や、様々な事情で一般的な教育ルートを外れた子供に行き届いていないと考え、そうした人々と「共働」生活を送る、共働学舎を設立しました。

 共働学舎の特徴は、社会福祉法人ではなく、日本の社会福祉事業に関する法律、行政、監督の枠に囚われず、

一方で社会福祉事業としての補助金や助成金をうけず、農業や工芸などで「自労自活」を目指す所にあります。

 また、一般的な社会福祉法人の様に、メンバーが職員=健常者と利用者=障害者に分かれておらず、もちろん、NPOの理事や農場毎の代表はいますが、基本的には全員、対等なNPOのメンバーである事も特徴の一つです。

 

・共働学舎略年表

1974年 長野県北安曇野群小谷村で信州共働学舎(立屋)設立

1974年~1977年 九州で農場を設立(現存せず)

1977年 北海道留萌郡小平町で寧楽共働学舎設立

1978年 長野県北安曇野群小谷村で信州共働学舎(真木)設立

      北海道上川郡新得町で新得共働学舎設立

1985年 南沢共働学舎の前身がスタート

1987年 北海道雨竜郡沼田町で沼田共働学舎設立

1993年 東京都東久留米市南沢で南沢共働学舎設立

2006年 共働学舎が特定非営利活動法人となる

​ウェブサイト:http://www.kyodogakusya.or.jp/

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