東京里山シェアリング
14:大鹿ふりだし塾
~基本情報~
●名称:大鹿ふりだし塾
●設立:1983年移住、2003年大鹿ふりだし塾開始
●住所:長野県下伊那郡大鹿村鹿塩1371-4
●メンバー:代表家族7人+滞在者数人程
●事業:稲作、畑作、販売
●特徴:自給自足生活をしていて、研修生を受け入れている。
●代表:大倉寛さん(げたさん)
●連絡先:geta0811@yahoo.co.jp
~概要~
大鹿ふりだし塾は、長野県南部、南アルプス・赤石山脈西方の長野県下伊那郡大鹿村鹿塩の山の奥地にある、
自分達で建てた家や、無農薬で作った作物、沢水、電気、薪の燃料で(100%ではありませんが)自給自足する
生活を送りながら、研修生(お手伝いさん)を受け入れ、彼らとの共同生活を送っている農場です。
山麓の川沿い、国道沿いの集落から、曲がりくねった、最後は舗装もない道を15分程登った標高1300m程の
所に、大きな立派なログハウスや研修生の寮、山羊や鶏小屋が立ち並び、山麓の標高800m程の所や、山頂付近の標高1400~1500m程の所に畑があり、何十種類という米や野菜を、無農薬の方法で作っています。
近年、大鹿村内にふりだし塾と繋がりのある若い移住者、就農者が増えてきていて、ふりだし塾周辺に彼らの
家を建て、彼らと農事組合法人を設立し、お互い自立しつつ協力する、という関係を築いています。
~場所~
大鹿ふりだし塾は長野県南部、南アルプス・赤石山脈西方の長野県下伊那郡大鹿村鹿塩の山の中にあります。
赤石山脈西方を南北に貫走る、鹿塩川・小渋川に沿った谷間に、国道152号線が走り、大鹿村の集落があります。
その東側、二児山・黒河山・笹山・入山の方面の山道に、大鹿中学校横から入り、道なりに登って、葦原神社の
次の丁字路を左に入り、U字型のカーブ3つ目左側にふりだし塾のポストがあるので左に入り、1km弱登った右手に「人家アリ」という看板があったら、そこを右に入り、舗装のない凸凹道を登れば、ふりだし塾です。
住所をナビに入力しても、最後まで案内してくれません。地図で見ると、大鹿中学校から東に、鹿塩温泉湯元山塩館から北東に、真っ直ぐ線を伸ばし、交差する辺りです。四輪駆動の車でないと最後の凸凹道が登れません。
ふりだし塾に「八角堂」がありますが、大鹿村内に「八角堂」という建物は複数あるので、注意して下さい。
~施設~
大鹿ふりだし塾の建物や土地は、大鹿村の山の中に点在しています。まず、標高1300mの約2haの山林に、
大型ログハウスで代表ご夫婦が住む母屋、八角形のログハウスで代表の娘さん家族が住む旧八角堂、同じく八角形のログハウスでイベントスペースやゲストハウスに使う新八角堂、居候(手伝い)の個室、Aフレームハウス、10帖のプレハブ、ヤギ小屋、鶏小屋などがあります。いずれも自分達で建てたものです。水道は沢水を利用し、電気はソーラー発電で売電もしていて、お風呂は薪で沸かし、薪ストーブもあります。新しい住居も建築中です。
標高1500~1600mの山奥に約1haの畑があり、標高900mの国道沿いの集落近くに約1aの田と畑を持ち、3aの田を借り、米や野菜や果物など、自給用も含めれば数十種類の作物を無農薬で育てていて、加工にも挑戦を試みています。また、自給用に、鶏を飼って卵を取り、山羊を飼って乳を搾り、チーズも作っています。
~人物と歴史~
大鹿ふりだし塾のメンバーは、代表者の「げた」さんこと大倉寛さん、奥様のひろみさん、娘さんとその旦那さんとお子さん3人、ふりだし塾の「塾生」で研修生の様な形で住む人が通常2~3人、多い時は7~8人です。
代表のげたさんは20歳の頃から日本全国のコミューンを放浪し始め、最初は「厚木ふりだし塾」という所に、入り、その後も日本中、世界中のコミューンを渡り歩いて、日本に帰国後、暫くは東京で生活をしていましたが、1983年、大鹿村の現在のふりだし塾の場所とは違う場所で、農家さんの家と農地を借りて暮らし始めました。
偶然、大鹿には1970年代以降のコミューン運動に携わった人々が移住していて、そこに加わる形となります。
1994年に現在のふりだし塾の場所に1ha以上の山林を買い、2年程で八角形のログハウス、「(旧)八角堂」を建設し、2003年に現在の母屋となる大型のログハウスが完成し、げたさんご夫妻はそこで暮らしています。現在、八角堂には娘さんご家族が住んでいて、近年、1ha程の山林を買い足し、新しい八角堂も建設しました。
また、2000年頃から、自給自足生活やログハウスの建築を学びたいという人達が来始め、2003年に「大鹿ふりだし塾」として、そうした人達を「お手伝い」として無償で受け入れ、共同生活する体制がスタートしました。
そして近い将来、大鹿村で農事組合法人「大鹿ナチュラルファーム」を設立する予定です(2016年11月現在)。この法人はげたさんご夫婦、娘さんご夫婦と、ふりだし塾と繋がりがある、大鹿村で新規就農した若い人達が、組合に出資して組合員となり、機械の共同利用や食品加工から始め、生産や研修生の受け入れも目指します。
この、一人一人は自立しながら、協力できる所で協力する、という形が、若い頃は世界中のコミューンを訪問し、30年近く、農業に取り組んだ、げたさんの考える「農業コミューン」の上手く運営できる形態だそうです。互いが互いに依存せずに自立しつつ、協力した方が効率が良い所は協力する。一軒一軒は農家として独立しつつ、食品加工や機械利用の分野では協力する。「自由」と「協力」を両立する、自立した農業者の、緩やかな連帯で大鹿の農業を守り、若い後継者を育て、将来的には大鹿村を「無農薬農業の村」にしたい、そう語っていました。