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15:立屋共働学舎
~基本情報~
●名称:特定非営利活動法人 共働学舎 立屋共働学舎
●設立:1974年(NPO法人としての共働学舎は2006年)
●住所:長野県北安曇郡小谷村千国乙5155
●メンバー:30人前後
●事業:畜産(繁殖牛、育成牛)、養鶏(鶏卵、鶏肉)、稲作、畑作、食品加工、工芸
●特徴:心身に不自由を持つ人との共同生活、社会福祉法人ではなく公的補助は受けない
●代表:宮嶋信さん
●連絡先:Tell:0261-82-2615 Mail:shinsyu@kyodogakusya.or.jp
~概要~
共働学舎は1974年、長野県で宮嶋眞一郎という人物が、心身に不自由を抱える人が「自労自活=自立した労働と生活」を送る為、数人の仲間と共に設立した、メンバーが共同で農業と生活を営む農業共同体です。
共働学舎の特徴は、一般的な社会福祉法人の様に、メンバーが職員=健常者と利用者=障害者に分かれておらず、全員、対等なNPOのメンバーである事や、国や自治体から、福祉関連の補助金を受け取っていない事です。
2016年現在、全国5か所の農場と1か所の事業所で、心身に不自由を抱える人も、そうでない人も合わせて150人近くが生活を送っています。立屋共働学舎は1974年、共働学舎の最初の農場として設立されました。
長野県北安曇郡小谷村。北アルプスの麓の村で心身に不自由を抱える人も含め30人近くのメンバーが米や野菜、牛や鶏や山羊を育て、共同生活をしています。近くに真木共働学舎もあり、二つで信州共働学舎となります。
~場所~
東京から中央自動車道を西に進み、諏訪湖付近、岡谷JCTで長野自動車道に入り、更に北西へと進みます。安曇野ICで高速を降り、千国街道(糸魚川街道、国道147、148号線)を北上すると、スキーで有名な白馬村があり、その北隣に小谷(おたり)村があります。東京から高速を使って車で4時間程、新幹線、バス、電車で3時間半~
4時間半程、長野と新潟の県境の手前です。
小谷村内を南北に走る千国街道から千国駅付近で、西の山の方、白馬乗鞍温泉スキー場や白馬アルプスホテルへ続く道へ入ると、山の中腹に立屋共働学舎はあります。
更に山の上には白馬乗鞍スキー場が、国道を挟んで反対には真木共働学舎を擁する山並が広がり、冬はスキー客で賑わう、北アルプス北部の山の中の地域です。
~施設~
立屋共働学舎には、生活施設として、メンバーが食事やミーティングで集う母屋や、近隣の山小屋や宿泊施設を改装した寮があり、生産施設として、田んぼ、畑が3ha程と、牛舎、鶏舎、工芸所、製パン所などがあります。
田んぼや畑で作った米や野菜は、主に自給用です。農薬や化学肥料、機械をなるべく使わずに作業しています。牛は和牛の繁殖牛、育成牛を10頭ほど飼育し、市場に出荷しています。牛舎では山羊も数頭飼っていました。
農作業が出来ない冬季は工芸所で仕事をしています。夏季、草木染めや本藍染めで色を付けた糸を使用して、
昔ながらの機織り機で機織りをして、手提げバッグやマフラーや敷物を作ったり、トウモロコシの皮を利用して
人形を作ったり、木製のおもちゃ“夢”セットを作っています。また、加工食品づくりも行っています。
製パン所とパン屋ではメンバーが食べたり、地域の人に販売する為、パン、クッキー、ケーキを作っています。
~人々~
共働学舎は1974年、立谷の地で宮嶋眞一郎という人物が、心身に不自由を抱える人が「自労自活=自立した
労働と生活」を送る為、数人の仲間と共に設立しました。現在、立屋共働学舎と真木共働学舎を併せた信州共働
学舎は、宮崎眞一郎さんの二男の宮崎信さんが代表を務め、立屋、真木、それぞれにもリーダーを置いています。
共働学舎設立者、宮嶋眞一郎という人物は、自由学園という、学生寮での共同生活や農業など独自の教育方法、
生徒や学生が自分達で学校施設を維持管理する事などが特徴の学校の一期生であり、英語教師も勤めましたが、
現在の日本の教育制度が、本当に教育を必要とする、心身に不自由を持つ子供や、様々な事情で一般的な教育ルートを外れた子供に行き届いていないと考え、そうした人々と「共働」生活を送る、共働学舎を設立しました。
宮嶋信さんも自由学園を卒業し、父、眞一郎さんと共に共働学舎設立に参加し、現在は代表を務めています。
現在、立屋共働学舎で30人程、真木共働学舎で20人程、信州共働学舎全体で50人程が暮らしていますが、
立谷と真木で頻繁にメンバーが移動しています。乳幼児からお年寄りまで、老若男女、色々な人が入っています。中には心身に病気や障害を持っている人や、今の日本の社会で生き辛さを感じている人等、様々な人もいますが、メンバー同士、あるいは、地域の人々とも協力し、助け合いながら暮らしています。
~生活~
立屋共働学舎では動物を飼っているので朝は早いです。6時から動物の世話をして、7時半から母屋で朝食。
ミーティングを行い、9時から仕事です。12時から昼食、13時半から再び仕事をし、夕方も動物の世話をして、18時から夕食です。日曜、祝日は動物の世話以外は休み、季節によって時間は若干変わるとの事でした。
動物の世話は朝が早く、休日にもありますが、自然のリズム、各々のペースに合わせた暮らしをしています。
ウェブサイト:http://www.kyodogakusya.or.jp/